江戸時代のレシピを再現!?「人形町風鈴(プリン)」が名物の「江戸甘味處 水天宮つくし」はもうすぐ150周年

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日本橋にはたくさんの老舗のお店がありますが、その中でも、江戸時代のレシピを再現したプリンを売っている「江戸甘味處 水天宮つくし」さんが人形町にあるとのことで、早速お話をお伺いしてきました。

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(江戸甘味處 水天宮つくしの外観)

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(創業明治10年(1877年)!?)

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(お話を伺ったのは、5代目当主の鷺谷(さぎたに)さん。趣味は江戸文化や歴史。)

日本橋新聞
「こんにちは!本日はどうぞ宜しくお願い致します。早速ですが、人形町風鈴(プリン)は、江戸時代のレシピを5代目が再現されたものだとお伺いしました。どうして再現できたのでしょうか?」

5代目当主
「本来であれば、ここら一体は、1923年の関東大震災や1945年の東京大空襲で、昔の資料は無くなってしまっていた可能性が高いのですが、菩提寺の庫裏から平成13年に100年に1回の御開帳法要で、初代当主のレシピが偶然発見され、そのレシピを参考に再現することができました。」

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(人形町風鈴(プリン)。「東京五つ星の手みやげ(岸朝子選)」でも紹介され、食感はやや固め。味は濃厚な卵の味と、ほろ苦いカラメルの二重奏。)

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(2019年に発売された「プリン本(昭文社)」にも掲載。つくしの公式Twitterより)

日本橋新聞
「あんみつに人形町風鈴(プリン)を乗せて食べる、「人形町風鈴あんみつ」も人気と聞いています。あんみつとプリンの組み合わせは珍しいと思いますが、これは、どうやって生まれたのですか?」

5代目当主
「実は、お客様の声から生まれた商品なのです。」

「”若旦那、あんみつにプリン乗っけたら美味しいから、プリンつけて売ってくれない?”とお客様から言われ、試しに、プリンを乗っけて、黒蜜をかけて食べてみたら、美味い美味い。」

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(店頭に並ぶ人形町風鈴あんみつ)

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(つくしHPより)

日本橋新聞
「先程のお客様も、まとめて10個購入されたりと、すごく人気ですよね。このような形で、お客様から提案頂くことは多いのですか?」

5代目当主
「はい。お店を運営する上で、一番大事にしていることは「お客様第一」になります。それこそ、四六時中お客様のことを考えています。そして、大事にしているからこそ、お客様と良い関係が築け、いろんなアイディアを頂けていると感じています。」

「その分、お客様もうちのお店のことを期待してくださるから、その期待を裏切れない分、プレッシャーもあります。」

「ただ、お客様の見る目は正確なので、お客様の貴重な意見は、非常にありがたく頂戴しています。」

日本橋新聞
「他にも、「水天宮 招福赤飯」がホームページに紹介されていますが、これは、どういうところがこだわりなのですか?」

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(水天宮 招福赤飯。つくしHPより)

5代目当主
「備中産「大納言ささげ(大角豆)」と新潟産「特上大黒もち米」を使用していて、材料として最高級のものを使用しています。そのため、高級料亭やミシュラン3つ星レストランなど、多くのお店からご評価頂いています。」

「また、一切合成着色料を使用しておらず、妊婦の方や、お子様からご年配の方まで、安心して食べて頂ける様に配慮しており、水天宮ご参拝のお客様にも好評になります。」

「たまに、材料の値段を考えると、「本当にこの値段でいいの?」と聞かれることもあるのですが、より多くのお客様に食べて頂ける様に、この値段が妥当だと考えています。」
※ご家庭用パックは780円(税別)で販売

「そして、これは赤飯に限らず、人形町風鈴の卵にしても、砂糖にしても、何にしても、全て最高級のものを使っています。そうじゃなきゃ、美味しいものができない、というこだわりでやっています。」

日本橋新聞
「もうすぐ創業150年ですが、今後、つくしをどのようにしていきたいなどの想いはありますでしょうか?」

5代目当主
「やりたいことはいっぱいあるのですが、やっぱり食い物屋なので、「美味しいもの」を出し続けて行きたいと考えています。」

「そして、美味しいものを毎日出し続けるには、自分の目が光っていないとだめなので、お店を大きくしようという気は全くありません。」

「このお店1件だけで、目を光らせて、自分の目が届く範囲でやっていく。」

「味が落ちたらおしまいだから、それが、お客さんを大事に想うということなのかな、と思っています。」

日本橋新聞
「最後に、この記事を見た、読者に向けてメッセージがあれば、お願い致します。」

5代目当主
「ぜひうちに限らず、人形町に足を運んで欲しいと思っています。」

「うちだけじゃなくて、家族で代々お店をやっている昔ながらのお店が、人形町にはたくさんあります。」

「みんなさっぱりしていて、照れ屋で、ストレートにものごとを言うんだけど、怒っているのかなと思うと、そうじゃなくて心配している。おせっかいのように見えるけど、人柄が本当に良くて、人形町が大好き、という、粋な人が本当に多いです。」

「そんな粋な街にぜひ遊びに来て欲しいなと思っています。」

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(店内に飾られている明治15年(1882年)のつくしさんのお店の前の風景)

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江戸甘味處 水天宮つくし

〒103 – 0013 東京都中央区日本橋人形町2-1-12 水天宮御門際つくしビル 1F
営業時間:月〜金 8:00〜18:00 土日祝 8:00〜17:00
※各日、売切御免 (営業時間内でも、売り切れで閉店します)
定休日:不定休
公式HP:https://tsukushi.tokyo/
公式Twitter:https://twitter.com/tsukushi1877
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