【PADMA Official Bar x ぜんじろう】日本橋でスタンダップコメディを

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4月30日(土)、ゴールデンウィーク2日目の15時から、日本橋人形町にあるPADMA Official Barにて『日本橋コメディクラブ3』と題したスタンダップコメディショーが開催されました。ぜんじろうさんには現政権の風刺だけでなく、ヨーロッパを遠征してコメディを披露した体験をもとに、それぞれのお国柄、そこで出会った現地日本人たちのエピソードをおもしろおかしく語っていただきました。他には、ぜんじろうさんを慕う仲間たちによるコメディも披露されました。(しらいわよしこさん、永田正行さん、藤田記子さん)また、会場のPADMA BAR 代表の知幸さんとのミニトークもあり、大盛況でした。

コメディを披露中のぜんじろうさん
藤田記子さん(劇団カムカムミニキーナ)
永田正行さん
しらいわよしこさん
PADMA BAR 代表・知幸さんとぜんじろうさんのミニトーク

 記事をご覧くださっている方の中には「スタンダップコメディって何?」と思われた方も多いでしょう。スタンダップコメディとは、簡単に言えば、1人で話して楽しませるというスタイルのアメリカ発祥の話芸です。日本の漫談とほぼ同じなんですが、スタンダップコメディは、ネタとして扱うトピックが、政治や社会問題や宗教や下ネタなどもあり、自分の意見を乗せながら笑かせる大人の笑いです。ただ、何を言ってもいいフリースピーチなんですが社会的弱者を揶揄したり、差別を助長するネタはしたりはしません。最近、訪日観光客が増えたせいか、渋谷、浅草で日本語、英語両方でスタンダップコメディを楽しめるようになりましたが、それでも、メジャーなお笑いショーではありません。そんな中、日本でスタンダップコメディをメジャーなものにしようと、日夜頑張っておられる、『日本橋コメディクラブ』のメインコメディアンのぜんじろうさんにお話をお伺いしました。

PADMA日本橋コメディクラブ開催のきっかけ、及び日本でコメディを広めようと思ったきっかけ

「お酒を飲みながら大人の笑いが観られる場所を東京で作りたいと思った」(ぜんじろうさん)
海外ではお酒を飲みながら楽しめるコメディクラブは割と普通に存在します。「政治ネタ、ときには下ネタが入るスタイルのコメディという内容も理解してもらわないとだめなんですよ理解してもらえないこともあるんですよ。(PADMAさんは)同じパフォーマンスをしているアーティストですよね。なので、気持ちも分かっていただいて、それだったら安めに解放するので使ってくださいと言っていただいて、それがきっかけですね。」(ぜんじろうさん)同じパフォーマンス集団であるPADMA(パドマ)さんの方も、気持ちが通じ合う部分があったようです。だから、コメディショーの最中もその場の雰囲気に一体感が感じられる、温かみのあるショーでした。

日本と海外の笑いの違い 

コメディを観ていて感じたことは、日本と海外のコメディは笑いの質が異なるということ。国が違うから違いが出てくるのは当然ですし、どちらが良い悪いと単純比較はできませんが、違いが出る大きな理由としてぜんしろうさんは「日本には個がなく、社会がない。」とおっしゃっていました。どういうことかというと「芸人の仲間内で仲間に向けてやっているものか、個人の考えを言っていくものか。」によるものが大きいとのことでした。前者は日本式の笑い、後者は欧米式の笑いです。言い換えれば、日本は芸人同士の上下関係の中、言ってみれば芸人の「ムラ」の中のやりとりで笑いが生まれ、欧米は芸人個人の考えがそれぞれ尊重され「社会」で笑いが生まれます。個人の考えを尊重する空気において、社会のことをネタにして喋っていく、という笑いが生まれていきます。だから、欧米の笑いには社会風刺、現政権の風刺的な笑いが多いのです。テレビや動画配信を観ても分かるように、日本の笑いはどこか内輪で行われているような感覚になっていて、かつ、最近は大分変わってきましたが、日本国民は政治的な意見をはっきりと言うことを避けるため、スタンダップコメディが理解されにくいのです。

ネタはどこから仕入れる?

産経、読売、朝日、毎日、東京、日経ね。全部チェックします。大切なのは偏らないってこと。産経、読売が右派とするなら、そっちばかり見ないということです。朝日、毎日が左派とするなら、そっちも見る。ネタを作るために、アンチテーゼ、逆の意見は必ず聞く。日々体験していく、日々の体験談を語っていくのは非常に大切なのコメディの要素。はい、そういうネタの拾い方は、現場に行くと、例えば、ルーマニア(4/30のショーの中で出た体験談)。新聞だけ見てたら絶対出てこないじゃないですか?軍隊の人がいてみたいな。」(ぜんじろうさん)普段、私たちが目にするニュースだけでなく、ご自身の体験から生まれる笑いも大切にされていることがよく分かります。

日本におけるスタンダップコメディの将来性は?

PADMAでショーを観たとき、日本でスタンダップコメディが受けていないとは感じませんでした。もちろん、日本ではまだまだマイナーなお笑い形式ですが、既存のお笑いに飽きてきた人たちが、新たなエンターテイメントを求めて来ている、私にはそう見受けられました。日本もこれからは集団に自分を順応させるではなく、個を認め、大事にしていく国にしなければ、ますます国際社会において弱くなる・・・そんな危機感が芽生える今日この頃です。「今のところ、日本のみなさんは、なんとな〜くまだまだ幸せだと思います。海外に少しでも出て外から日本を見ると、バブルの頃で何もかも止まってて、日本の衰退具合に気づくんですけど。それでもなんとなく食っていける。日本がどんどん「村」が濃くなって「おかしい」って声をあげれる「社会」がない。社会の笑いをやってるスタンダップコメディは、理想ほど流行っていないんですね。スタンダップコメディが流行っていくときに、日本にもきちんとした「社会」が「民主主義」が根付いて、日本がもっと風通しがよくなると思います。」(ぜんじろうさん)スタンダップコメディの知名度、人気度が上がったとき、そのときが日本もようやく変わったね、と実感できるかもしれません。その日はいつになるのか予想できませんが、そんな日本が来ることを期待したいです。

取材後記

ぜんじろうさんには、PADMA Official BARで日本橋コメディクラブを立ち上げたきっかけ、スタンダップコメディとはどのような笑いか、日本と欧米の笑いの違い、将来性について語っていただきました。国を問わず、「笑い」というものは、その国の状態が如実に表れるのだと感じました。お話を聞いていて、ぜんじろうさんは本当にスタンダップコメディが好きで、日本でも発展させていきたいという意気込みが伺えました。日本橋コメディクラブのイベントは、1カ月に一度くらいのペースで開催されていますが、本当は週一ぐらいでやりたいとのこと。ただ、パワーが追い付いていかないそうです。次回も楽しみにしています。そして、インタビューのセッティングをしていただいたPADMAアートディレクター 金子裕美さん、イベントが円滑に進むようドリンクや会場の準備をしてくださったPADMA代表・知幸さん、及びスタッフのみなさま、ありがとうございました。

<ぜんじろうさんプロフィール>

昭和 43 年 1 月 30 日生まれ。兵庫県姫路市出身。
大阪芸術大学退学後、上岡龍太郎に入門。漫才「ぜんじろう&月亭かなめ」を結
成。数々の賞を受賞するが二年後解散。ソロ活動開始。ナインティンナイン、雨上
がり決死隊などを生み出した吉本若手ユニット「吉本印天然素材」初期リーダー。
大阪、MBS「テレビのツボ」「ヤングタウン」東京「ぜぜぜのぜんじろう」「元気
が出るテレビ」など多数メディア出演の後、海外でスタンダップコメディアンとし
て活動。スタンダップコメディアンとして活動するとともに、様々な国々で笑い、
ユーモア&コミュニケーション等の講演多数。

◆『ぜんじろう日本での受賞歴』
今宮子供えびす新人漫才コンクール 第九回 福笑い大賞
ABC 新人漫才落語コンクール 第十回 最優秀新人賞
上方お笑い大賞(読売テレビ) 第十一回 最優秀銀賞
上方漫才大賞(ラジオ大阪) 第二十四回 新人奨励賞


◆『ぜんじろう海外での受賞歴』

L.A.COMEDY STORE STAND UP COMPETITION 第五回 第二位、モーストユニー
ク賞。
第二回 インドコメディストア大会第 2 位 2013
第九回 香港国際コメディ大会ファイナリスト 2014
第一回 世界お笑い大会 in タイ 優勝 2015

第一回 中国国際お笑い大会 ファイナリスト 2016
第四回 アメリカコメディ大会 第 4 位 2016
第一回 アメリカ Laugh factory 主催 世界コメディ大会 日本代表 2016

◆『海外 TV 出演』

韓国 KTV「Comedy league 出演」
スウエーデン TV「Comedy revolution 主演」
デンマーク DMK「Comedy Raw 出演」
イギリス BBC「Japanorama 出演(with ジョナサンロス)」

◆『教歴』

2009 年 法政大学 社会心理学 ゼミ『ロボットと漫才における笑い』
2010 年 オーストリア人工知能学会 ゼミ『ロボットと笑いのシステム』
2010 年 シンガポールエンターテイメントコンピューティング学会ゼミ『ロボット
と笑いのシステム』
2014 年 香港 City 大学 講演『日本のユーモアにおける日本社会』
2015 年 アメリカ ワシントン大学 講演『日本のユーモアとアメリカのユーモア比較
論』
2016 年 アメリカ Brandeis 大学 レニーブルース学会 講演『日本のスタンダップコ
メディの歴史』
2016 年 中国 北京 ワークショップ『日本の漫才ワークショップ』
2017 年 中国 上海 ビジネスセミナー講演『コミュニケーションとユーモア』
2017 年 オランダ ロッテルダム 日本人学校講演「お笑いユーモア教室」
2018 年 中国 、重慶、蘇州 ビジネスセミナー講演『コミュニケーションとユーモ
ア』

PADMA Official BAR
URL: http://www.padma.jp.net/BAR.html
東京都中央区日本橋小網町16-19-B1
電話番号:03-5641-9944
最寄駅:都営浅草線、日比谷線人形町駅
A6出口約4分(エレベーター)
A5、A3出口約5~6分
A2出口約7分
営業時間:19時~5時、水木20時半~

日祝休(日本橋コメディクラブ開催日は営業)

PADMAのプチ情報 

ラスベガスのサーカスパフォーマーのコンペで優勝しております

VEGAS INTERNATIONAL VARIETY ACT FESTIVAL 2019 Competition

GROUND Duo/Group EMERGING ARTISTVIVA FEST 2019パフォーマーコンテストグループ部門優勝

https://www.thevivafest.com/copy-of-videography

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