「漆器」といえば、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「高そう…」
「どういう時に使うのか、よく分からない」
「お手入れ大変そう…」
そんなイメージが正しいのか、創業300年以上の漆器の老舗、黒江屋さんが開催する「第111回 黒江屋漆器市」に参加して、お話を伺ってきました。
(「黒江屋漆器市」開催中の黒江屋さんの外観)
(ビル入口付近の様子)
(元禄時代の1689年に創業。黒江屋さんののれんに「柏」がついているのは当主の柏原家に由来しています)
(左のお皿は創業300年を記念して、着物のデザインを参考にして作られた漆器。右奥にはTVなどでよく取材されている日本橋の擬宝珠(ぎぼし)がある)
(今回お話を伺ったのは、支配人の田中英二さん)
漆器の魅力について
日本橋新聞
こんにちは! 本日はどうぞ宜しくお願い致します!
田中さん
どうぞ宜しくお願い致します。
日本橋新聞
早速ですが、漆器の魅力は、どういうところにあるとお考えでしょうか?
田中さん
色々ありますが、主には、木製なので保温性が良く料理を美味しく食べられること、使えば使うほどツヤがでてきたりして変化を楽しめること、軽くて扱いやすく、長く使えるので愛着を持てることだと考えています。
長く使って愛着を持たれているものについては、新しく別のものを買うのではなく、漆を塗り直してまた使うという方もいらっしゃいます。
(木目とツヤが綺麗です)
日本橋新聞
なるほど。でも、やはり少しお高いのではないでしょうか?
田中さん
一つ一つ手作りなので、手間が掛かっているものは、それなりのお値段になります。
(素地にみかんやひょうたんを使い、うるしを塗って作った盃(さかずき)。紀州漆器(和歌山県海南市)盃好きにはたまらない逸品)
(昔の鯛彫り(たいぼり)を再現した漆器。お値段15万円!)
(開いた・・・!!)
(綺麗な輪島塗のコップ。こちらはひとつ2万円台で、少しお高め)
黒江屋漆器市について
田中さん
でも、お手頃な価格の商品もたくさんあります。そして、年に4回開催している「黒江屋漆器市」期間中は、例外品を除き3割引きになっています。それに加え、少しワケあり品は、半額や1/3の値段になっており、とてもお求めやすくなっています。
(お土産に人気の「日本橋」と名入れを入れたうるし塗りの箸)
(「黒江屋漆器市」期間中は、30%OFFになっているものが多い)
(ワケあり品は定価2,000円が800円になっていたりするなど、大幅値引き)
日本橋新聞
ワケあり品とは、具体的にどういう商品になるのでしょうか?
田中さん
例えば、うるしに塗りムラがあったりする商品です。ただし、普段使いをする上ではほとんど気にならないので、最初はこういう商品を使って漆器の良さを感じてもらえればと考えています。
日本橋新聞
漆器は普段使いからは少し遠いイメージがあるのですが、普段使いできる漆器も多いのですか?
田中さん
はい。お椀やお箸、スプーン、コップなど、普段使いできるものはたくさんあります。
また、お手入れが大変そうだと思われる方もいらっしゃるのですが、つけ置きをしたり食洗機を使わないよう気をつけて頂ければ、普段通り洗っていただいて大丈夫です。最近では、食洗機に対応している漆器も出てきています。
(ワケあり品とは思えないような綺麗なお椀がたくさんあります)
(子供用のかわいいうるし塗りのお椀も半額)
(少し高めの漆器も1/4程度の値段になっています)
(うるし塗りの杖も人気です)
(レンゲやスプーンもお手頃価格で人気。口当たりが良いので、いつもより美味しく食べられます)
(アクセサリーなどをツヤが良い綺麗な漆器に乗せて撮影するとインスタ映えするので、買われる方もいるようです)
田中さん
実は、「黒江屋漆器市」期間中は、ワケあり品だけではなく、普段扱わないような珍しい漆器も扱っています。
今回の場合は、綺麗な木目とツヤの良さが特徴的な小田原漆器や夏の風情を感じられる漆器を取り揃えています。
(綺麗な木目とツヤが際立つ小田原漆器)
(綺麗な柄と音色のうるしの風鈴。風情を感じられ、涼しさを感じられそうです)
(柿渋を塗った丸亀うちわ)
(こんなうちわもあります)
(うるし塗りのグラス。父の日のプレゼントなどに喜ばれそうです)
今後について
日本橋新聞
最後に、300年以上の歴史を持つ黒江屋さんが、今後力を入れていきたいことなどを伺わせてください。
田中さん
一般のお客様にもっと知ってもらいたいと考えています。
先にお話ししたように、漆器の魅力はたくさんあります。
「黒江屋漆器市」などで気軽に買える値段のものもたくさんありますので、ぜひ一度手にとってみて頂き、楽しんで使って頂けると嬉しいです。
若い人たちのアイディアや発想を生かした取り組みとして、東京藝術大学や昭和女子大学の学生たちと漆器職人がコラボをした商品を販売しております。
こういう取り組みを通じて、多くの人に知ってもらえると嬉しいです。
(東京藝術大学の学生がデザインしたものを漆器職人が一点一点手描きで絵付けした「うるしピンズ」)
(昭和女子大学の学生と漆器職人がコラボしたブローチ)
終わりに
取材後、せっかくの機会なので、かわいいパンダのうるし塗りのお椀を娘のために買いました。
娘が大きくなっても、ずっと愛着を持って使ってもらえるといいなと思っています。
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黒江屋
〒103-0027 東京都中央区日本橋1丁目2−6 黒江屋国分ビル 2F
営業時間:月〜金 9:00〜18:00
定休日:土・日・祝
公式HP:https://www.kuroeya.com
公式Twitter:https://twitter.com/kuroeya
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