あふれる愛情が保育の質を高め続ける「こどもの王国保育園 東日本橋園」(前半)

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(こどもの王国保育園のHPより)

新型コロナによる緊急事態宣言が全国に出ている中、街に何か貢献できないかと思い、いつもうちの娘がお世話になっており、素敵な教育方針と素敵な保育士さんで溢れる、「こどもの王国保育園 東日本橋園」の統括園長と園長のお二人に、どのような想いで保育園を運営し、今後どのように運営していきたいか、そして、今休園中で自宅待機している園児や親御様へ伝えたいことなどを、編集者という視点だけでなく、子どもを実際に預けている一人の親の視点も交えて、zoomでお話を伺いました。

※保育園の良さは、統括園長と園長に依存する部分が大きいという考えから、お二人の想いや人柄を深堀りするインタビューになっています。保育園の特徴を主に知りたい方は、保育園のホームページを拝見頂けますと幸いです。

※また、約2万字のロングインタビューになっているため、全部を順番に読むとかなり長いです。お時間がない方は、以下の目次を参考に、興味があるところを読んで頂けますと幸いです。


目次(前半:本記事)

  • 統括園長ちょびちゃんの経歴について
  • 園長ともちゃんの経歴について
  • 座右の銘について
  • 統括園長の役割について
  • 園長の役割について
  • ちょびちゃん・ともちゃんが感じるお互いの素敵なところ
  • 緊急事態宣言による対応について

目次(後半)

  • 東日本橋という街について
  • 園の保育者の特徴
  • 園に預ける保護者の特徴
  • 園としての強みについて
  • 王国に預けている親として感じる嬉しいこと
  • 今後、園をどのように運営して行きたいか
  • 園に興味を持って頂いている方へ
  • 在園中の園児と親御さんへのメッセージ

後半の記事はこちら https://nihonbashi-journal.com/childkingdom2.html/


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統括園長のちょびちゃん
・菊地奈津美(あだ名はちょびちゃん)
・高校生のときからのあだ名で、なつみ → なっちょ → ちょび という進化系のあだ名
・保育者が夢を語る「保育ドリプラ」主催、「保育のあるあるなお悩みを一気に解決!012歳児担任のためのお仕事Q&A」の書籍出版、YouTuberとしての活動など、保育園の園長としてだけでなく、マルチに活躍中
・出身は東京の板橋区

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園長のともちゃん
・福島知華(あだ名はともちゃん)
・これまではずっと「ともか」と呼ばれており、「ともちゃん」と読んでくれるのは、お母さんくらいだったので、今、ともちゃんと呼ばれることで、家族のように感じるとのこと
・出身は山口県

統括園長ちょびちゃんの経歴について

日本橋新聞
「ちょびちゃんは、こどもの王国保育園(以後、王国)を立ち上げられるまでは、どのようなことをなさっていたんですか?」

ちょびちゃん
「大学を卒業してからは、ずっと保育士をしていました。最初はさいたま市の公立の保育園で2年働き、そのあと、地元の板橋の保育園で5年働いています。仕事はすごく楽しかったんですけど、園長先生が3年で異動をしていったりとか、私達職員も5,6年で異動するので、その中で、人が変われば理念が変わる保育っていったいなんだろう、というのをすごくモヤモヤして感じていました。」

日本橋新聞
「え!?保育園の理念って、そんなにコロコロ変わるんですか??」

ちょびちゃん
「そうですね、もちろん変わらないケースもあるのですが・・園長先生が変わると園の雰囲気や理念が変わることが多かったですね。」

「あと職員も入れ替わり立ち替わりなので、保育園として、積み重なっていかない 、というモヤモヤもありました。保育士さんそれぞれの価値観に基づいて保育をするという傾向があったので、良さでもあるんでしょうけど、全く保育観の違う保育士さんと一緒に保育をするのは、少し辛いものがありました・・・。」

「私は、できるだけ共感して子どもの気持ちに寄り添いたいと思うのですが、「もっと怒って聞かせないとダメよ!」という保育士さんもいて。子どもにとっていい保育って何だろう…と考えさせられることがよくありましたね。」

「そんな中で、今の理事のみんなと話をしていて、「じゃあ、保育園作ろう!」 ということになったので、「よし、じゃあ、やろうか!」ということで、作りました。」

日本橋新聞
「保育園を作る、ということって全然想像つかないんですけど、やはり、大変なことは多かったですか?」

ちょびちゃん
「最初の1年はめちゃめちゃ大変でした。完全に認可外で運営していたので、なんだろう・・・、なんか、無理でしたね(笑)」

日本橋新聞
「特に、どこらへんが無理でしたか?」

ちょびちゃん
「経営的に全然無理で、今は補助金を内閣府から頂いているので回っていますが、なんでやり始めたのかわかんないくらい無理でしたね(笑)」
※編集部注:こどもの王国保育園は、「企業主導型保育事業」という形で、内閣府が開始した企業向けの助成制度に基づいて運営しています

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(zoom越しに、辛い過去を明るく話して頂けるちょびちゃん)

日本橋新聞
「やはり、補助金の恩恵は結構大きいんですね。」

ちょびちゃん
「もう、めちゃくちゃ大きいですね、内閣府様様で運営させてもらっています!」

園長ともちゃんの経歴について

日本橋新聞
「ともちゃんは、どういうご経歴なんですか?」

ともちゃん
「大学で幼稚園教諭の免許をとって、一種免許だったので、いつかは幼稚園の園長先生かな 、という夢を持ってやっていました。本当に教諭の仕事があっていると感じていたので、一生懸命働いて、こどもたちとも、保護者のかたとも、すごく楽しい7年間でした。結婚をして自分の人生を考えたことと、仕事へのやりきった想いをいっぱいに感じ、幼稚園を去って、その後、5年間主婦をしていました。

日本橋新聞
「主婦をされていた期間もあったんですね。」

ともちゃん
「はい。仕事を辞めてから子どもがすぐに生まれたので、子どもと毎日遊ぶことができ、それはそれは幸せな期間でした。そして、子どもが少し大きくなったので、やはり子どもに関わる仕事をしたいと思い、幼稚園で3年働きました。その中で、保育士への気持ちも強くなり、保育士資格を取得しました。」

日本橋新聞
「免許をとったあと、こどもの王国保育園とは、どういう出会いだったんですか?」

ともちゃん
「いや!もう、ほんと運命的な出会いだったんです!

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(急にテンションが上がりだすともちゃん)

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(ともちゃんに合わせて、笑顔あふれるちょびちゃん)

ともちゃん
「私の娘が今、小3なんですけど、その子が習いに行っているピアノの先生が、ちょびちゃんと知り合いだったんです。その先生が、イエナプランという教育方法の海外留学された報告会を聞きに行った先に、西池袋園のスタッフの方がいて、王国のことを知り、「王国、行ってみようかな!!」という感じて、説明会に行きました。」

「そこで、もんもん(代表理事)とちょびちゃんの話を聞いたら、ここでしょ! となりました。あの二人の話聞いたら、なりますよね?(笑)」

日本橋新聞
「僕もあの二人の熱い説明会を聞いて、王国に預けたいとなったので、分かります(笑)」

ともちゃん
「そんな感じで、私も入れてください、となって、入りました。」

日本橋新聞
「ともちゃんは、幼稚園の先生をしていて、そこから保育士になりたいと思うようになったキッカケはあるんですか?」

ともちゃん
「そうですね、やっぱり子育てをしてみて、0歳、1歳、2歳と、だんだん大きくなっていく我が子と接していると、小さい子と触れ合う中での生活、保育士の用語で言うと、「養護と教育」というのがあって、「養護」というのがこんなに大切なんだ、というのを改めて感じて、そこの職業大事だな、というのが最初のキッカケですね。」
(編集者注:「養護」とは、子どもが心身ともに心地よいと感じる環境を整え、子ども自身が主体的に育つことを助ける営みのこと)

「ずっと、保育士資格をとりたいな、というのはあったんですけど、あらためてちゃんと取りに行って、保育士を職業としてやっていきたい、という気持ちが生まれたのは、子育てを通してかな。」

日本橋新聞
「お子様の子育てを通じて、保育士の仕事の重要性に気づいた、ということなんですね。」

ともちゃん
「はい、本当に重要だと思います。ベースになっているところに関わる、という仕事なので、そこに関わりたいな、と思いました。」

日本橋新聞
「前提として、子どものことが好き、というのは、昔から強かったんですか?」

ともちゃん
「そうですね。この仕事は、やっぱり子どもが好き、という気持ちがなかったら、中々厳しいと思います。スタッフ、みんな、子どもが大好き、というところからですね。」

日本橋新聞
「王国のスタッフのみなさんは、子どもが好き、という気持ちが全面に出ていて、安心して預けることができています。」

ともちゃん
「自分の子どもは特別なんですけど、どうしてか、保育士として一緒に子どもたちと過ごしていくと、一人ひとりがとても特別に思えるようになってきます。」

座右の銘について

日本橋新聞
「ちょびちゃんは、座右の銘は何かありますか?」

ちょびちゃん
「実は、座右の銘とか、あんまりないんですけど、最近、本を出させて頂いたときに、メッセージを考えようと思って、私の中での最近の流行りなんですけど、えっと、「素敵な保育で日本を救うのだ!」です。」

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(少し恥ずかしがりながらも、真剣な想いが伝わってきます)

日本橋新聞
「!!」
「ちょびちゃんらしい、素敵なメッセージですね!!」

日本橋新聞
「ともちゃんは、座右の銘は何かありますか・・・?」

ともちゃん
「実は、座右の銘って、これまで考えたことがなくて、今まで考えたこととかってありますか?(笑)」

「ただ、王国で働く様になって、王国の理念が、仕事しているとき、いつも頭の中をめぐるので、自分がそういう人であるか、っていうのが、すごく回って、これかなぁって思っています。」

日本橋新聞 & ちょびちゃん
「素敵!!」

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(保育理念を熱く語るちょびちゃん)

日本橋新聞
「王国の理念が、座右の銘って、素敵過ぎますね!」

ちょびちゃん
「素晴らしい!」

ともちゃん
「ほんと、これを常に考えて、心にして動いていますね。」

日本橋新聞
「僕もこの理念、子どもの教育においてとても大事なことだと思っていて、すごく好きです。ちなみに、王国の理念をこれにしたキッカケは、何かあるんですか?」

ちょびちゃん
「保育園を作ろうという前に、今の理事の人たちや、知り合いの学校の保育士さんたちと集まって、飲みながら教育を語る、みたいなことをちょくちょくしていたときに、これからの時代を生きていける子を育てるのに、何が必要か、という話を結構していたんです。」

「例えば、先生の言うことを聞く子が果たしていい子なのか?とか、世の中にしちゃいけない失敗というのはあるのか?とか、みんなで同じ様にできることがすごいのか?とか、その価値観ってどうなんだろう?とかを散々色々していたときに、やっぱり、自分で考えて行動して、ただ、なんでも好き勝手やっていれば良い訳でもないし、とか、そう言ったときに、責任を持つ、という態度も必要だよね、という話をして、最終的に、これだね、という形で決まりました。」

日本橋新聞
「変化が激しい現代では、言われたことをやるだけではなく、「自分で考えて行動」、そして、「その行動に責任を持つ」というのは、本当に重要なキーワードだと思うので、いつも共感しています。」

統括園長の役割について

日本橋新聞
「統括園長って言う言葉は少し聞き慣れない言葉なんですけど、ちょびちゃんの統括園長という役割は、どういう役割なんですか?」

ちょびちゃん
「そうですね、西(西池袋園)も東(東日本橋園)も、合わせて同じ方向を向いて保育していける様に調整する役割と思っていて、例えば、理念の研修をしたりとかです。具体的にどう実践するかは現場の保育士のみなさんが考えていくことが大事だと思うので、こういう方向を向いて行こうよ、というのを、いろんな折を見てお伝えしていくのが、大きく言えば、仕事だなという風に考えています。」

「理念は、本当に大事だなと思っていて、教育って正解はないんですけど、園としてどうするか、という軸がないと、先生同士の、「あんた甘やか過ぎよ」「あんた厳しすぎよ」といった攻撃みたいになって、終着点が分からなくなってしまうんですよ。」

「それで、人間関係がぐちゃぐちゃして辞めていってしまう保育士さんも結構いると思っていて、じゃあ、具体的にどうしたら良いか、という答えを私が持っているわけではないけど、話合う事大事にしようよ、とか、自分で経験することを大事にしようよ、とか、そういう方向性をしっかりと伝えていくのが、大事だなと思っています。」

日本橋新聞
「ちなみに、理念は、今、固まっているものがありますが、今後、変えようとしていることとか、新しく打ち出して行こうとしていることはあるんですか?」

ちょびちゃん
「理念に加えて、保育の中では、「8つの大切なこと」ということで、先生たちが保育の中で大事にしていくこと、そして、園の「3つの特徴」を打ち出しています。それに加え、今年から「行動指針」を作ったんですよ 。保育というよりかは、先生たちがどんな人であるか、というのを作って、先生たちも人として成長していって欲しいし、それが保育園の成長とか、子どもたちにも還元されていく、ということをすごく想って、そんなことをしてみました。」
(編集部注:「8つの大切なこと」と「3つの特徴」は王国ホームページ参照)http://childkingdom.ed.jp/


王国の行動指針
1. 凡事徹底
挨拶・片付け・時間厳守を心がけます。

2. 他社依存より自己依存
人のせいにする前に、自分ができることを考えます。

3. ひと言目は「受け止める」
大人でも子どもでも、相手の気持ちをまず受け止めます。

4. ねらいをもって保育する
ねらいを持って、子どもたちへの声がけ、環境設定を行います。職員同士の「なぜそうしたか」を大切にしながら議論します。

5. 未来に責任を持つ
持続可能な未来をつくるために、責任ある行動を考え実行します。


ともちゃん
「王国の、職員が使うスペースの至るところに張ってあります。」

日本橋新聞
「おっしゃる様に、教育をする上で、大人が見本とならないと、子どもたちには刺さらないと思うので、ちょびちゃんの話は深いな、と思いました。」
「統括園長をする上で、特に大事にされていることを一つあげるとしたら、何かありますか?」

ちょびちゃん
「ひとつ~~~~!?ふたつでもいいですか?(笑)」

日本橋新聞
「もちろんです。(笑)」

ちょびちゃん
「ひとつは、やっぱり理念を先生たちが理解をして、実践に落としていく、というのが一つで、もうひとつは、よく研修のときは「世界一の保育園って誇れる保育をしましょう」という話をしているんですよ。」

「それは王国だから、というよりかは、目の前の子どもたちがすごく大事な時期を生きているから、本当は王国の職員だからとかではなくて、世の中の保育士たちが、みんな自分の目の前の子たちが良い育ちができるように、世界一の保育ができるようにという想いでやって欲しいなと思っているんですけど、なんか、仕事に誇りを持って欲しいな 、というのは、すごく考えています。」

日本橋新聞
「おっしゃる様に、保育士のみなさんが誇りを持って輝いていないと、園児たちにも悪い影響を与えてしまうと思うので、みんなが仕事に誇りを持てる保育園ってすごく素敵ですね。」

園長の役割について

日本橋新聞
「園長の役割も教えてもらってもいいでしょうか?」

ともちゃん
「そうですね。担任だったら、チームの子どもたちと、ご両親と密に生活をともにしていく、というところで、本当にがっつり付き合っていく、というところなんですけど、園長になると、そこだけという風にはできなくて、ワイドビューになる、というか、みなさんの、つまり、自分のチームだけじゃなくて、「みなさんが」という風になるのは、新しい視野を持たせてもらったなぁと思っています。」

「園に関わることだったりとか、お子さんに関わることだけじゃなくて、お父様お母様に関わることだったりとか、ということも、本当にしっかり考えていかないと、ということを、就任してすぐに、新型コロナの状況と合わせて、誰も経験したことのない事態の対応と合わせて、私も初めての園長という中で、驚きと、どうしよう、という気持ちを持ってやっています。」

日本橋新聞
「確かに、園長に就任されたばっかりで初めてのことが多いことに加えて、新型コロナの状況に合わせて運営していく、という2重の大変さが、今あるわけですね・・・。ちなみに、ワイドビューになったことに関して、具体的に、どういう点で苦労されているのですか?」

ともちゃん
「そうですね。苦労というか、がんばっている点になるんですけど、子ども一人ひとりを見ていくのって、とっても大好きなんですね。子どもと関わると、自分から子どもに発信していることもあるけど、子どもたちからいろいろ与えてもらっている部分もあって、職業としてだけじゃなく、人間として、嬉しいとか、悲しいとか、驚きとか、いろんな感情があります。」

「それが保護者の方、また、スタッフのみんなが、自分の視界の中にぐいっと入ってくるので、スタッフのみんながどういう風に動けているのかなとか、どういう気持でいるのかな、とか、そこはもう少しこうした方がいいけど、どういう風に考えているのかな、とか。

「子どもたち一人ひとりと付き合っていたときに加え、大人の人との繋がりという面をすごく意識するようになったかな 、と思います。」

「当たり前なんですけど、それが大事かな、って思っています。」
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(とても謙虚に語るともちゃん)

日本橋新聞
「園長になると、子どもだけでなく、スタッフ含め、園全体のことを常に意識して動いて行かないと行けない、ということですね。」

ともちゃん
「はい、でも、子どもたち一人ひとりが大好きなだけでなく、スタッフ一人ひとりが大好きなんです。今回の新型コロナの件でも、緊急事態宣言中は、各ご家庭には大変ご協力を頂き家庭での保育をしていただいているのですが、もちろん子どものためというのが一番。」

「それとともに王国を共に創っていくスタッフの健康と安全を守りたい、という気持ちもあります。なので、子どもたちも大事、そして、スタッフもとても大事なので、なんか、そこがなんて言うんでしょう、愛が止まらない、という気持ちです(笑)」

日本橋新聞
「マザーテレサみたいですね(笑)でも、そういうの好きです。」

ともちゃん
「まだまだ力及ばずですけど、そういう気持ちがあります。」

日本橋新聞
「園長としてすごく大事にしていることって何かあるのでしょうか?」

ともちゃん
「子どもたちに関しては、保育士のときとほぼ変わりなく、一人ひとりを愛することと、命を守っていくことと、私は教育現場にいたので、環境を通して育てるというところ、つまり、「養護と教育」を一緒にして、王国の生活の中で育んでいきたい、というのをとっても大事にしています。」

「なので、本当に個々の育ち、例えば、絶対がんとした、僕はこれをやるんだ、というのがある子に対しては、その気持ちに寄り添ってあげて、一人ひとりの想いを大事にする、というのを日々、大事にしているところです。」

「保育者に対しては、今までと全然違う気持ちがあったりもして、今までは、自分もその一人だったので、「自分はこれがやりたい」と言って発信する側だったんですね。こんな風にアイディアを出して、これをやると子どもたちが喜んでくれて嬉しい、みたいな。」

「そういう立場だったんですけど、園長になると、保育者達がそれをできる環境。安全第一過ぎて何もできない、とか、発案したのに全部潰れた、みたいな、そんな残念な話はないと思っていて。王国に入るスタッフの人たちって、みんなそれぞれ個性豊かで、活動範囲が広い人が多くて、例えば、英語や外国の文化が得意とか。他にも機械がすごい得意。生き物すごい得意とか。なんていうんだろう。おもしろ系でもなんでもいいんですけど、その人の得意なことを、保育の中で活かして欲しいと思っています。」

日本橋新聞
「マネジメントの鏡ですね。」

ともちゃん
「それが心置きなくできるような園にしたいな、と思っています。」

日本橋新聞
「それが誇りを持って働く、にも繋がる気がしています。そういう考えを園長が持たれているのは、とても素敵ですね。」

ともちゃん
「それもこれも、ちょびちゃんと理事のみなさまがしっかりしているからであって、本当に感謝しています。」

日本橋新聞
「なんか、理事のみなさま含め、みんな仲がとても良くて、園全体が一体感があっていいですよね。」

ともちゃん
「一体感でいうと、例えば、あるスタッフが動物とか生き物が得意なんですね。それを、彼が持っているチームだけでそれをやっていればいいかと言うと、それじゃ勿体ないと思わない?ってなって、いろんなチームの保育者と交代して、そうするとこのチームの人にもこれが見せてあげられるね、一緒に感じられるね、みたいな感じで、どの保育者もいろんなチームで、いろんな得意なことをやってくれたらいいな、と思っていて、それを日々の中でちょくちょくやっているので、一体感を感じてもらえるのかなぁという気がしています。」

日本橋新聞
「そうやって園全体が仲が良くて、一体感があると、子どもを預ける親としては、とても安心できます。」

ちょびちゃん・ともちゃんが感じるお互いの素敵なところ

日本橋新聞
「ちょびちゃんから見たともちゃんの素敵なところってどこになるんですか?」

ちょびちゃん
「「プラス受信」できるところだと思っていて、なんか大変なこととか、普段いろいろとあるんですけど、必ず前向きな言葉で先生たちに、「これって良い学びになるよね」とか、「これって私達の成長だね」という感じで、先生たちを、落ち込むとか、不安に持っていくのではなくて、プラスの視点に持っていってくれるっていうのが、すごい素敵だなって思います。」

日本橋新聞
「ネガティブなこととかがあっても、ポジティブな方向に導いてくれるのは素敵ですね!」
「ともちゃんから見た、ちょびちゃんの素敵なところは、どのように感じているんですか?」

ちょびちゃん
「ちょびちゃんは、どの立場になっても、絶対的に優しい。子どもだけじゃなくて、保育者にもだし、保護者にもだし、その辺の道端の人にも優しいと思います(笑)受け止める力がすごいんですよ。たまに心配になるくらい、時間を掛けて一人ひとり聞いてあげる。それは、なかなかできないと思うんですよ。」

日本橋新聞
「それはすごいですね。心がけられていることとあるんですか?」

ちょびちゃん
「どうなんですかね。ただ、行動理念に「ひと言目は受け止める」と書いたんですけど、子どもに限らず、先生たちでも、一見おかしいな、と思うときでも、その人なりに良かれと思ってやっていることっていっぱいあるなと思っていて、そこは受け止めてあげたいな、と頭では思っていますけど、全然あれですよ、優しくないときもいっぱいありますよ(笑)」

ともちゃん
「いやいや、優しいし、パワフルだし、行動力が半端ないし、やるっていったら3秒後にはやっているんですね。ちょっとお茶飲んでからって思っていても、もう「ピーン」って(笑)」

「あと、あれです。いっぱいあるんですよ(笑)人との繋がりがすごい。これってどうやって繋がっていくんだろう、っていうくらい、人との繋がりがすごい。これは、ちょびちゃんじゃないとできないんだろうなって。優しいから繋がっていくのか。」

日本橋新聞
「ちょびちゃんって、保育士が夢を語るイベントを主催したり、本を出版されたり、YouTuberとして活動されたり、行動範囲がとても広いと思うんですけど、その行動力の源泉は何になるんですか?」

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(ちょびちゃんのブログより)

ちょびちゃん
「なんなんでしょうね、って私も思っています(笑)明確にこれをしたい、とか、何年後にこれをする、っていうのは、あんまり思ったことがなくて。」

「人が幸せになったらいいな、と思って、そのために、何か貢献したいな、何かできることがあればいいな、って思っています。その中で、保育ってとても重要なことだと思っていて、もっと丁寧に乳幼児期を育つことができれば、人はもっとハッピーになると思っていて、つまり、保育が良くなれば、人はハッピーになるんですよ。」

「乳幼児期がもっと大事って思ってもらえる保育士さんが増えたり、保育士じゃなくても、子どものときの育ちって大事だねって思う人が増えることで、みんなハッピーになると思ったら、なんかやれることやってみよう!という感じで、なんか「使命感」が強いのかな、と思っています。」

日本橋新聞
「使命感・・・!」

ちょびちゃん
「そうですね。なんか、こうなりたいとかでは、全然ないですね。」

日本橋新聞
「乳幼児期って、具体的には、0歳~5歳くらいまでの教育で、人の幸せに大きく影響する、という理解であっていますか?」

ちょびちゃん
「そうですね。そう思います。もちろんそこだけではないですけど、特に、乳幼児期は大事。」

ともちゃん
「人生の基礎ですからね。」

日本橋新聞
「幸福度に大きく影響する自己肯定感も、乳幼児期に育まれると言いますもんね。」

緊急事態宣言による対応について

日本橋新聞
「新型コロナの話が出ましたが、緊急事態宣言によって苦労していること、工夫されていることは、どんなことになるのでしょうか?」

ともちゃん
「ひたすら心配で、みんなどうしているかな、元気にしているかな、とか、お父さんお母さんも、お家でとっても大変だろうな、とか、考えるだけで、いろんなことが心配になるな、というのが本当に大きくて、なので、離れていても、何かできることはないか、というのをいつも考えています。」

「そして、こういう状況だからこそ、こういう状況に大人がどう考えて、行動していくか、という姿は、子どもにすごく伝わっていると思うので、その時の大人のありかた、だったりとか、保育士としてのありかた、だったりとか、いち人間としてのありかた、というのはすごく求められているときだなというのを感じています。」

日本橋新聞
「いつも迅速に本当に真摯にご対応頂いているので、素敵なありかたを見せて頂いていると感じています。その中で、新型コロナで登園できないので、zoomで朝会や、youtubeの動画配信など、休園中にも関わらず素敵な取り組みをたくさん実施して頂いていますが、これらのアイディアはどうやって生まれているのですか?」

ともちゃん
「スタッフの方からも、子どもたちとこんなに会えない日が続いて、何かできることはないかだったり、保護者の横に子どもがいてお仕事しにくい中でご協力頂いている保護者の方に、何かできることはないか、自分たちが手助けできることはないか、というのを考えて、その中で、「zoomとかできるんじゃない!?」という感じで、少し規則が固めの保育園だったら、「そんなのダメよ」って言われるかもしれないけど、うちは、理事とか、ちょびちゃんが、「いいよ~!」ってすぐに言ってくれるのが助かっています。」

日本橋新聞
「zoom朝会は、久しぶりにみんなの顔が見れて、うちの子どももとても喜んでいました。」

後半に続く
https://nihonbashi-journal.com/childkingdom2.html/

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