コロナ禍で飲食店の経営はどこも本当に苦しいです。
東京商工リサーチの調査によると、2020年における負債1,000万円以上の飲食業の倒産件数は、過去最多の842件。そして、今年1月の調査では約4割の飲食店が廃業を検討しているという。
日本橋においても、多くの店が閉店してしまいました。コレド日本橋4Fにある「京都石塀小路豆ちゃ 日本橋」も、コロナ禍を乗り越えるべく奮闘しています。
そんな中、他のお店の赤字店舗を、スタッフの支えを元に、会社の理念や行動指針、自分たちが大切に思うことを体現していった結果、閑散としたビルにも関わらずたくさんのファンで日々満席状態にできた実績を買われ、「京都石塀小路豆ちゃ 日本橋」を新しく任された方がいると聞き、早速お話を伺ってきました。
▼100年に一度の危機にこそ重要なこと
日本橋新聞
「改めてとなりますが、「京都石塀小路豆ちゃ 日本橋」で働かれようと思ったキッカケをご教示頂けますと幸いです。」
宝﨑さん
「これまでは、主に渋谷の「茶茶このか」というお店で仕事をしていましたが、こちらへ来たのは経営状況の苦しい店舗ということで、やれるだけのチャレンジをさせて頂こうと思い働かせて頂くことにしました。
まだまだ日は浅いのですが、このお店をなんとか存続させて、少なからずいらっしゃるファンの方やスタッフの働くステージを残し継続させたいという思いでおります。」
日本橋新聞
「経営的には、やはり辛い状況が続いているのでしょうか・・・?」
宝﨑さん
「そうですね、毎日がまさに辛い状況です。最小人数でコロナ以前より重い数ある仕事量をホール、キッチン関係なく全員で毎日闘っています。そして、シフトインできないスタッフやメンタルが良くない方も増え、会社を去っていく方が多くいることが1番辛いです。」
日本橋新聞
「そんな状況の中、どうやってお店を立て直そうとされているのでしょうか・・・?」
宝﨑さん
「一番大事にしているのは、「Love your neighbor as yourself(お客様も仲間も自分と同じように愛しましょう)」という会社の「理念」に沿った行動を全員がすることです。前の店でも、理念に沿った行動を強く意識することで、苦しい状況を乗り越えることができました。
お客様に真摯に寄り添うことはもちろんですが、一緒に働くスタッフにも真摯に寄り添っています。そして、スタッフと良い関係性が作れることにより、お客様に最高のサービスを提供することができます。
そのために、理念に共感頂けるスタッフを採用することは強く意識しています。実は、理念への共感を重視するために、一度、スタッフ全員を採用しなおしています。
そして、「会話」ではなく「対話」を大事にしています。「会話」はただの雑談ですが、「対話」はお客様や相手の将来のことも考えて、時に厳しく言い合える関係性になります。
「対話」ができる関係性を持てることで、理念に沿った行動を全員ができるように、面談や目標設定をアルバイト含め全員と毎月実施させて頂いています。」
▼理念を大切にすることで得られたお店の魅力
日本橋新聞
「理念を大切にすることで、お客様からすると、具体的にどういう点を魅力として感じるようになるのでしょうか・・・?」
宝﨑さん
「メニューの魅力と空間の魅力、そして、スタッフの魅力の3点あります。まず、メニューとして人気があるのは、「10種のおばんざい御膳(1,700円)」と「週替り御膳(1,100円)」になります。
例えば、「10種のおばんざい御膳」では、毎日引き立ての出汁やその時に新鮮な野菜を使い、基本的にどれも手作りで、少しずつたくさんの種類のヘルシーなおかずを豆皿に乗せて提供させて頂いています。どれも美味しくて、とても体に優しいメニューになっており、見栄えも良いことから写真を撮られる方も多く、旅館のお食事みたいなど、嬉しい声がけをよく頂きます。
お客様を大切に想うからこそ、一つ一つのおかずをとても丁寧に作らせて頂いています。
2つ目の空間の魅力として、京都町屋のような素朴で落ち着いた感じがすることに加え、個室も4つ用意させて頂いており、お子様連れや女子会などでも周りを気にせず料理を楽しむことができます。
個室に関しては、ご要望に応じてアクリルパーティションの設置など、ご時世に則した対応も柔軟にさせて頂いています。
これらもお客様のことを大切に考え、居心地の良い空間を演出しています。
最後の3点目として、理念に基づき、もちろんまだまだな部分もありますが、各スタッフが「世界一のホスピタリティ」を目指して接客させて頂いています。例えば、翌日のご予約で誕生日プレートも用意してほしいなどのご相談があった際も、前日からスタッフとどうやったらお客様に喜んでいただけるかなどを考え、お客様の期待をいかに超えられるかを考えます。そして、笑顔で「ありがとう」などと言ってもらえた時は、本当に嬉しく思います。」
▼最後に
取材後、宝﨑さんから「大事なことを一つ、お伝えし忘れたことがある。」といって、一つのメッセージを頂きました。
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理念の「Love your neighbor as yourself」 の下には社是があり、行動指針がいくつかあります。その中で1番大切にしている「with」という行動指針についてお伝えさせて下さい。
with
「その人らしさ」を大切にする。
いろんな人が集まって、そのバランスで成り立っていくのが会社です。
仲間、上司、部下、業者様を1人の人間として、大事にすることです。
一人一人が自分の持つ個性や強みを活かしながら、弱みをみんなで補っていく。
その結果が、会社の成長や個人の成長につながっていくことが理想です。
今は先も見えない状況ではありますが
一人一人の成長の足し算こそ今を切り抜けられると考えて
日々今日より明日と一つでも行動を起こせるよう取り組んでおります。
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京都石塀小路豆ちゃ 日本橋
東京都中央区日本橋1丁目4−1 コレド日本橋 4F
月~金 11:00〜15:00、16:00〜20:00
※当面は土日営業はお休みさせて頂いております
インスタ:https://www.instagram.com/mamecha.nihonbashi/
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13158059/
★注文時に「日本橋新聞見たよ」とお伝え頂くと、「ソフトドリンク」「小鉢1品」「アイスクリーム」のいずれかをサービスして頂ける様です!
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本日取材させて頂いた宝﨑さんのおすすめ本はこちら!
空間や接客、品質に関して参考にしており、何度も読み返されているようです。
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